歯科全般

銀歯が痛い?その原因と改善方法

虫歯治療の際に、歯を削り「銀歯」と呼ばれる補綴物を用いて歯の機能を回復させることがありますが、銀歯を用いた治療をおこなった場合、治療直後や数年経ってから銀歯が痛みだすことがあります。痛みの原因によって対処法は異なりますが、すぐに歯科医院で処置をおこなった方がいい場合と、様子を見ながら経過観察をした方がいい場合があります。

治療直後の銀歯が痛む場合

進行した虫歯の治療では、神経付近まで歯を大きく削る必要があることも多く、治療直後の歯は様々な刺激を受けたことにより、一時的に神経が炎症を起こしたような状態になっています。また補綴物である銀歯と神経との距離が近くなるため、普段であれば何ともない刺激に対しても過敏になっていることで、痛んだりしみたりする場合があるのです。さらに、銀歯は「金銀パラジウム合金」という金や銀、銅以外にも、パラジウム、亜鉛、錫などの金属が配合されている素材であることから、天然歯よりも熱伝導性が高く、熱い・冷たいといった刺激が神経に伝わりやすいのです。

しかし、しばらく痛みが続くと歯の防衛反応が働き、神経と象牙質の間に「第二象牙質」を形成します。それによって刺激が神経に伝わりにくくなり、徐々に痛みは治まっていきます。個人差はありますが、1〜2週間程度で痛みは落ち着くことが多いので、この期間はなるべく刺激を与えずに様子を見るようにしましょう。ただし、数週間経っても症状が改善されないだけでなく、痛みが増してきたり何もしなくても痛みを伴う場合は、別の原因が考えられるため、再度歯科医院を受診することをお勧めいたします。

以前治療した銀歯が痛む場合

治療をした銀歯が、数年経ってから痛みを生じることがあります。この場合、いくつかの原因が考えられますが、ほとんどが歯科医院での治療が必要となります。

・虫歯の再発

銀歯と歯は、「セメント」と呼ばれる接着剤でくっ付いているのですが、長期間銀歯を使用することによってセメントが劣化してしまい、銀歯と歯の間に隙間が生じる場合があります。その隙間から虫歯菌が侵入することで、虫歯が再発すると痛みを引き起こしてしまいます。

・歯根破折

銀歯による補綴治療をおこなった場合、虫歯の進行度合いによっては歯の神経を除去していることもあります。神経を失った歯は、酸素や栄養が行き届かなくなり脆くなってしまうため、過剰な咀嚼力や、歯ぎしりや食いしばり、外傷などにより歯根に強い負荷がかかることで歯根にヒビが入ったり割れたりする「歯根破折」を起こしてしまう場合があります。歯根破折を起こしてしまった歯は、強い痛みを伴うようになり、細菌感染のリスクも高くなることから、抜歯の処置が必要になってしまうケースがほとんどです。

・知覚過敏や悪い噛み合わせ

加齢や歯周病の悪化によって、銀歯を装着した歯の歯茎が下がってしまい、歯の根元が剥き出しになることで痛みやしみるといった「知覚過敏」の症状を引き起こす場合があります。また、歯周病に罹患した銀歯周辺の歯茎が炎症を起こすと、銀歯を装着した歯が浮いてしまい、噛み合わせが悪くなることで痛みが生じる場合もあります。噛み合わせのバランスは、歯ぎしりや食いしばりの癖があることで悪くなってしまう可能性も考えられるため、注意が必要です。

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